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畜産農家の飼料について

畜産農家の飼料についての画像

はじめに

  • 畜産農家では、家畜の健康と生産性を維持するために、粗飼料と濃厚飼料の2種類の飼料が使用されます。

  • 粗飼料は、牧草や乾草、サイレージなどの繊維質を多く含む飼料で、主に牛の消化機能を安定させる役割を果たします。

  • 濃厚飼料は、トウモロコシや大豆、麦などの穀類を主成分とし、エネルギーやタンパク質を豊富に含む飼料です。

  • 日本の畜産における飼料供給は、国産の粗飼料が20%、輸入の濃厚飼料が80%を占めています。

粗飼料について

粗飼料は、主に草や草を基に作られたエサで、牛の主食として重要です。牧草、乾草、サイレージの3種類に分類されます。これらは牛の健康と成長に不可欠なセンイ質を多く含んでいます。

粗飼料の種類

粗飼料は大きく3種類に分けられます。

①生草(青刈りや放牧)
②貯蔵粗飼料(乾草やサイレージ)
③流通粗飼料(国内生産や輸入)

これらはそれぞれ異なる保存方法と栄養特性を持っています。

粗飼料の役割

粗飼料は牛のルーメン(第一胃)を鍛え、健康な発育を促進します。
ルーメンでの微生物による分解を助け、反芻を促進することで消化を助けます。

粗飼料の栄養特性

粗飼料はセンイ質が豊富で、濃厚飼料に比べて炭水化物やタンパク質の含有量は少ないです。
これにより、牛の健康維持に重要な役割を果たします。

濃厚飼料について

濃厚飼料は、炭水化物やタンパク質が多く含まれているエサで、主に穀物(とうもろこし、大豆、米ぬか、大麦、小麦、ふすまなど)を基にしています。これらは牛の主菜として重要な役割を果たします。

栄養特性

濃厚飼料は、粗飼料に比べて繊維質が少なく、タンパク質や炭水化物、脂肪などの栄養素を多く含んでいます。これにより、牛の成長や乳量の増加に寄与します。

濃厚飼料の役割

濃厚飼料は、牛のルーメン内の総菌数を増加させ、デンプン分解性菌が優占することで、揮発性脂肪酸の産生を高めます。これにより、牛の成長を促進し、乳量を増加させる効果があります。

配合飼料との違い

配合飼料は、濃厚飼料にビタミンなどを混合し、バランスよく栄養を摂れるようにした飼料です。これにより、家畜の種類や発育段階に応じた栄養分を提供します

飼料供給の現状

日本の畜産における飼料供給は、国産の粗飼料が20%、輸入に依存する濃厚飼料が80%を占めています。飼料費は畜産経営コストの大部分を占めており、特に粗飼料を多く与える牛では3~5割、濃厚飼料中心の豚・鶏では5~6割を占めています。日本の飼料自給率は約26%で、粗飼料自給率は78%、濃厚飼料自給率は13%です。日本の畜産飼料の多くは輸入に依存しており、国際情勢による価格や供給量の変動が課題となっています。

飼料の安全性

飼料の安全性は、家畜の健康と消費者の安全を守るために重要です。飼料安全法では、残留農薬や有害物質の基準を定め、飼料や飼料添加物の規制を行っています。詳細は農林水産省で確認できます。

飼料安全法

飼料安全法は、飼料及び飼料添加物の製造、輸入、販売に関する規制を行い、飼料の安全性と品質の改善を図る法律です。これにより、家畜の健康被害を防ぎ、畜産物の生産を支援します。詳しくは法律の詳細を参照してください。

安全性評価基準

飼料の安全性評価基準では、家畜に対する安全性を確保するための試験項目が定められています。これには、成長試験や毒性試験などが含まれます。詳細は評価基準の制定についてをご覧ください。

規制と基準

飼料の安全性を確保するために、行政による規制と民間による自主規制が行われています。これにより、飼料の品質低下を防ぎ、栄養成分を補給することが可能です。詳しくは飼料の安全と品質確保を参照してください。